『 Vielfalt 』 ( Hueber )

ヨーロッパは6月末から7月第1週にかけてものすごい熱波でしたね・・・日本もすぐに追いつきますのでご安心ください。6月・7月は久々にこれまでに使用したことのない教科書を使ってのレッスンをスタートして、四苦八苦しながら修行のような日々を送っていた筆者です。
6月からレッスンをスタートした生徒さんが使用しているテキストが斬新な内容になっていたので、備忘録代わりに特長など書き残しておきたいと思います。夏休みに集中的にドイツ語を勉強するかもしれない読者諸兄姉の参照になれば幸いです。

「これが Hueber の教科書!?」 と、のけぞってしまいました。おしゃれな表紙ですね。

非常に新しい学習テーマ

個人的には Hueber の教科書で扱うテーマはどこか古典的なものが多く、正直なところ面白くない(もとい、退屈だ)と感じることが多かったです。今回ご紹介する教科書のシリーズ『 Vielfalt 』は、いい意味で私の Hueber のイメージを覆してくれた本になりました。
B2で勉強しなければならない従来のテーマはもちろんですが、「ソーシャルメディア」「ダイバーシティ」など、現代社会で論争のある問題にもページを割いてきちんと触れられていて好感が持てます。

こういうテーマを見つけると、移民を受け入れる側も移民として外国で住む側も、寛容さが足りなくなっているのかなと感じることがあります。教科書のテーマは社会を映す鏡でもあります。

筆者がすでに生徒さんと一緒に勉強したテーマは「自分のSNS上のプロフィールを洗練させるために、ソーシャルメディアの専門家に意見を仰いでみよう」という、なんとも現代的なものでした。アドバイスを求める依頼人の職業も、伝統的な職業である税理士だけでなく自営業の料理研究家的な人や芸人的な職業まで、幅広く取り上げているのも意外でした。

全体的に扱うテーマが新しいです。よい傾向だと思います。

各設問のゴールも明確

筆者は教科書のコレクターですので、ドイツ語の教科書はかなり古いものから新しいものまで、できるだけ現物を取り寄せることにしています。特にここ10年以内に出版された教科書は、読書する人が少なくなってきているという時代背景もあるのかもしれないですが、筆者がドイツで勉強していた当時と比較すると教科書の情報量が段違いに多くなっていると実感しています。そうすると必然的に教科書の各章の問題数が増え、読ませたり聞かせたりするテキストの量と難易度が上がってしまうということになるようです。

語彙も文法も会話表現も、まだまだ新出の内容が多いB2

取り組む問題の数が増えると、どのような目的で問題を解かなければならないのか、あやふやになることが多くなります。それを気遣ってなのか、「文法」「語彙」「コミュニケーション」の項目に関する出題にはガイドが付いています。B2以上のレベルの勉強では、文語と口語を整理して考えることが重要な場面があります。こういうガイドは出題数が増えるととても親切ですね。

Hueber Interaktiv

Hueber から出版されている書籍(紙)を購入した方は、電子版の教科書も利用できるようです。その際には「Hueber Interaktiv」というアプリケーションのアカウントを新しく作成する必要があります。パソコンやタブレットをお持ちの方は、こちらも使うことを検討されてもいいかもしれません。
筆者は試しにパソコンでアカウントを作り、スマートフォンにもアプリをダウンロードしてみました。スマートフォンのみを使用される方は電子版の教科書ですと画面が小さすぎて不便に感じるかもしれません。電子版の教科書をお持ちでなくても勉強には支障はありません。必要な音声データなどはダウンロード可能ですので、無理にアカウントを持つ必要はないのかな、と思いました。

最近流行のテーマ( AI ・ソーシャルメディアなど)は雑誌や新聞などを読めば、関連する記事などが載っていないわけではありません。しかしながら DaF の教科書に載るようなドイツ語は、母国語話者が読むテキストと比較するとかなり簡単・簡潔なドイツ語で文章が書かれています。各テーマに関する論点についても、押さえるべきポイントがきちんと掲載されていて意見や思想の偏りが少ないのも、教科書を使用して勉強する意味・意義のひとつになると筆者は考えています。
最新のテーマをかじってみたい学習者に最適な教科書シリーズになりうるポテンシャルを秘めていると感じました。機会があれば、続編(同じ教科書のC1のもの)もぜひ手に入れてみたいです。

『 Vielfalt 』Hueber・公式ホームページ