会話のための作文の基礎知識
初級を勉強していても、中級に進んでも、はたまた上級者でも壁にぶつかってしまう日常会話やスモールトーク。
「会話と作文に何の関係があるんだ!?」と疑問に思われた方もいると思いますが、初級学習者であっても会話と作文を結び付けて考えることができないと、ドイツ語の勉強が早々に詰んでしまいます。
そのような状況に陥らないためにも、今回は会話をするための作文の基礎知識を伝授します!
そもそも会話とは、即興の作文の連続である
これに関しては意外と気付いていらっしゃらない方が多いのではないかな、と思うことがしばしばあります。
10年以上前に某プロゴルファーが広告キャラクターをしていた「耳から聞き流しているだけで英語が話せるようになる」系の語学学習ツールをうっかり信じてしまった人や「母国語話者と一緒に生活しているだけで話せるようになるはずだから、とりあえず恋人を探そう」と安易で間違った方向に進んでしまった人は、その思い込みから抜け出す必要があります。
生きた会話では、ある程度は自分の脳みそを使って瞬時にドイツ語の文章を絞り出さなければなりません。ドイツ語の作文を絞り出して発話するために、「教科書を勉強して・単語を覚えて・文法を理解する」のだと認識していただきたいです。
良い作文とは、文章として完結している
会話というのは基本的には文章で成り立っています。当然ながら文章を作る必要がありますが、ここでいう『文章』とは『主語と動詞で構成されているもの』です。ですので『作文をする』ということは『主語と動詞が含まれた文章を作る』ことと同義です。
簡単なことを言っているように見えますが、これは初級学習者にとって非常に難しい作業です。しかしながら、この面倒くさい作業をコツコツと積み上げることができる人こそが、結果として上手な会話と作文をできるようになります。
良い作文とは、作ろうとしてはいけないものである
「さっきまで作文をちゃんとしろ的なことを書いておいて、おまえは何なんだ!」という怒りの声が聞こえてきそうですが・・・
筆者は実は、1から文章を作るという作業に真剣に取り組むということはあまりありません。なぜかと申しますと、日常生活で使用したい大抵の表現や文章というのは教科書に掲載されているので、そのまま流用すれば(つまりパクれば)十分だと考えているからです!!!
教科書というのは教科書と名乗っているくらいですので、文法的にも用法的にも常に正しいという前提で利用できる、非常にありがたい書籍です。これを使い倒さないという選択肢は、少なくとも筆者にはありませんっ!
作文に慣れてきた段階でこのような考え方にシフトできると、時間と労力をセーブしながら効率よく勉強を進めることができるでしょう。
良い作文とは、伝えたいことが明確かつ簡潔である
「作文をする」となると気合を入れて文章を作りがちなのですが、一方で力を抜くことも大事です。日本語というのは文法の特性を鑑みて、その気になれば永久に文章をつなげ続けることが可能な珍しい言語だと思います。ですので日本人が英語やドイツ語など欧米系の言語で作文すると冗長な文章になりがちです。
基本的には一つの文章に一つの内容を入れておけば十分です。シンプルに「1つの主語に一つの動詞・それ以上文章を続けたい時にはいったん ”.” ( ピリオド Punkt )を打って終わってしまう」というのは非常に正しい作文のテクニックだと指導することが多いです。
文章をシンプルに作れるようになると、会話している際の脳みその負荷をかなり減らすことができます。ひいては相手の表情やリアクションに注目しながらの会話も可能になり、会話が苦痛な時間ではなく楽しい時間に変わるきっかけにもなるのではないでしょうか。
よくご相談をいただく内容に「勉強しているのに話せるようになりません」「会話が上手くできません」というものがあります。日本人特有の弱点や態度的(文化的背景の違い)な問題については、別途言及する機会があると思います。
しかしながら誰でも攻略できるテクニック的な問題点については、今回の記事のテーマである「自分は会話で使いたい作文が、頭の中で本当にできているだろうか?」という観点で、一度ご自身を振り返ってみていただきたいです。
もしかしたら簡単に課題が解決するかもしれませんね。
