『 Das Leben 』A1/A2/B1 ~ Cornelsen
筆者のように教科書をコレクションするのが趣味の一つになると、新しく出版された教科書や出版社ごとの編集の仕方の特徴などがわかるようになってしまいます。今回は久々に筆者が「いいね~」と思った教科書をご紹介いたします。
現在、当シリーズの A2 を使用して指導中です。新しい教科書の情報を知りたい方は必見です!
先日注文したB1のテキストが届きました!

とにかく内容が新しい!
現地の語学学校でドイツ語を勉強された経験のある方はよく遭遇する状況だと思うのですが、自分が選んだ教科書でいつも勉強できるわけではない、という事実・・・
若くてフレッシュなドイツ語の先生であれば教材の研究などにも余念がなく、刻一刻と進化する IT 機器やアプリケーションにも対応した授業などをおこなってくれるのですが、年配の先生は自分が使い慣れた20~30年前に出版された最新の教科書で授業をしたりします。言語自体は同じドイツ語を勉強するので文法や表現などは30年前と比較して大きく変わっていないのですが、SNSをはじめとするコミュニケーションツールの登場やスマートフォンの普及、はたまた生成 AI の登場など学習者を取り巻く環境は、おそらく有史始まって以来の空前の進化を遂げているのが私たちが生活する2025年です。
今回ご紹介するテキストシリーズは初版が2020年の出版であり、数ある DaF のテキストの中でも最も新しいものの1つです。現代的なツールを用いて、最新の単語やテーマを勉強したい人にはこれ以上良いテキストはないかもしれません。これまで存在しなかった新しい職業や日常的に使用する IT 用語などもフォローしてあり、内容の新しさでは他のテキストの追随を許さないでしょう。
便利な世の中になったな・・・(泣)

もちろん音声テキスト・ビデオ・勉強の意欲がある人向けの追加の課題や資料 etc 、テキスト付属の教材も全てスマートフォンで一覧できます!
巻末にオリジナルの模擬試験
地味にうれしいのが巻末の模擬試験です。Goethe Zertifikat の模擬試験しか掲載はないのですが、各出版社が有料で1回分の模擬問題を販売していたり試験解説本の中にモデルテストやシュミレーションと称して20ユーロくらいで販売しているなか、無料できちんとした模擬試験を付けてくれているのは非常に貴重です。
模擬試験探しをしたことがある諸兄姉であればおわかりいただけると思いますが、telc や Goethe Institut の公式ホームページからまずは入手する必要があります。それ以外に無料ダウンロードできるような模擬試験が公に存在すれば、それは違法なものです。ですので、「しっかり試験対策したいな」「 telc や Goethe Institut の問題だけでは足りないな」と思えばお金を払って購入するしかありません。
当テキストを購入する必要はありますが、普段の勉強で使用したあとは試験対策も一緒にできるのですから、かなりコスパがいいように感じました。
練習問題は多め・全くのビギナーには難易度高め
他出版社のテキストと比較すると、もともと Cornelsen 社の DaF の教科書は難しめであると筆者は考えていました。今回ご紹介した『 Das Leben 』シリーズも例外ではなく、練習問題もしっかり量があり、掲載の読み物もボリュームがあります。
たしかにアルファベットから勉強をスタートされる、全くのビギナーにはあまり向かない教科書なのでしょう。しかしながら、勉強から少し遠ざかっていたが復習をしたい・速習が必要になった・1つ上のレベルに進む前に勉強した内容を違う角度からさらっておきたい・他の教科書をやってみたけれど退屈だった、という方は一度手に取る価値があるテキストかもしれません。
近年、おそらく全世代で活字離れが急速に進んでいますが、ドイツ語圏でもこの現象は例外ではないと考えています。そもそも「母国語のテキストでも読む量が少なくなっている人が、外国語を勉強するときだけ読む量を増やすことが本当にできるのか」という問いに対して、筆者は非常に懐疑的に考える人間のひとりです。
日常生活の中で質の高い文章に触れる機会が少ないのであれば、せめて教科書だけでもクオリティー高い、そしてある程度の分量を読ませるようなものに触れていただきたいと常々考えていました。このシリーズは、まさに読書量が少ない現代人にはピッタリのテキストになる可能性を秘めているように思いました。
