小説を読んでみませんか? 『Der japanische Verlobte』

勉強が進んでくると、読書がお好きな方から「何かおすすめの本はありませんか?初心者でも読める本がいいのですが・・・」と聞かれることがあります。

実際のところ A1・A2 の勉強を終えてすぐに小説が読めるようになるかというと、ほとんどの人にとって難しいというのが現実でしょう。しかしながら「読めるようになるといいな」という気持ちや「いつか読めるようになってやる!!」的なモチベーションは、とても大事だと考えております。

大人が楽しむには絵本だと内容的に物足りなさ過ぎるか、もしくは内容がシンプルなだけに初心者には逆に読みこなすのが難しい場合もあります。

筆者はドイツ滞在中、語学学校などでドイツ在住のフランス人と仲良くなる機会に恵まれました。親日家・知日家だった彼女たちが私に「Amélie Nothomb(アメリー・ノートンは知ってる?」と私に尋ねてきたので「知らない」と答えると、Amélie Nothomb がフランス語圏で非常に著名な作家で日本や日本人が登場する小説を書いていること、今回ご紹介する『Der japanische Verlobte』という作品について説明してくれました。

表紙の人物は Amélie Nothomb ご本人 ! 日本刀持ってる・・・

なぜ敢えてベルギー人である Amélie Nothomb が書いた小説を紹介するのかというと、やはりストーリーのわかりやすさや小説の中の描写を頭の中でイメージできるかどうかが、読み続けるモチベーションに大きく関わってくるように思うのです。実際に手に取ってパラパラとめくってみるとお分かりいただけると思うのですが、小説の中には東京都内の具体的な地名や国内の観光地などが登場してきます。もちろんフランス語で書かれた原作をドイツ語に翻訳した作品ですので「原作がドイツ語でないと邪道だ!」とおっしゃる方には無理にはお勧めしません。

本のサイズは日本の文庫本よりも大きめ・1ページあたりの文字数は小説なので多いです

しかしながら小説の舞台である1980年代終盤の、経済大国であることを誇っていた当時の日本の東京の日常の風景・外国人から見た日本もしくは日本人像・日本人の結婚観など、多彩な観点から楽しめる奥の深い作品に仕上がっています。自伝的小説ですので主人公は若い頃のアメリー・ノートン本人と日本人の男性で、二人の恋模様が描かれています。ドイツ語の勉強は横に置いておいて構いませんので、だまされたと思って読んでみてはいかがでしょうか。食わず嫌いするにはもったいなさ過ぎる秀作です。

Der japanische Verlobte

( フランス語タイトル : Ni d’Eve, ni d’Adam )