外国語のメジャーな勉強方法( 1 )
~ ディクテーション
すでに2025年1月~6月までに試験にチャレンジされる生徒さんが4名にのぼるため、少しずつ来年の仕事の仕込みを始めている筆者です。
試験準備の記事の中で紹介してもいいのかな、と思ったのですが、今回はドイツ語に限らず非常に効果があると言われる訓練メソッド「ディクテーション( Diktat:ドイツ語 )」について、筆者の経験を踏まえての実践と導入の例をご紹介いたします。
「Diktat:ドイツ語」いわゆるディクテーションとは?
ディクテーション( Diktat : ドイツ語 )とは、簡単に言うと「文章・まとまった内容を持つテキストの朗読を聞いて、それを書き写す」トレーニングです。

例えばドイツ語でこのような文章があったとします。
Der bekannte Schönheitschirurg Simon Stern macht nun keine Schönheitsoperationen mehr. Er hat seine Klinik verkauft und sich von seiner Ehefrau Tamara Timbel getrennt.
( Hueber : Menschen A2.2 Arbeitsbuch 87 ページより引用)
手順としては① 母国語話者がテキストを朗読し、② トレーニングする側の人は朗読を聞きとってノートなどに書き写して、③ 書き写したものが耳で聞いたものと一致するか添削する、ような訓練方法です。
実際にやったことがある人でないとイメージしづらいかもしれませんが、数ある外国語のトレーニング方法の中でもおそらく上級レベルで登場する、しんどい・辛い・重いが三拍子そろったトレーニング方法の1つです。
ディクテーションで何がわかる?
ここからが重要なのですが、この「ディクテーション」ができることで、どんな能力があることがわかるのかというポイントです。
まずディクテーションができる人というのは、文章のテーマが理解できています。例えば紹介したドイツ語の文章ですと「ああ、二人の人物が登場して、一人は外科医だったのかな」とか、そういう話です。テーマがわかるというのは、おそらく単語をきちんと覚えているのとほぼ同義だとも言えます。
また、文章を聞いて書き取ることができる人はスペルを正しく覚えていて、ドイツ語の文法も理解しているケースがほとんどでしょう。
最後に、きちんと聞き取るときには発音のルールを実践的にマスターしていることが必須になります。ドイツ語の場合は特に発音のルールが明確ですので、「聞いたまま書ける」ができるのは大事です。
たった一つのトレーニングで学習の習熟度をかなりの精度で診断できてしまうトレーニング方法、これがディクテーションです。
はじめの一歩は何をすればよい?
特に A1~A2 の学習者ですと実力が不安定ですので、普段の学習に取り入れるのは難しいかもしれません。
筆者の場合は最近の3~4年は、ディクテーションを Sprechen の試験準備に取り入れています。一見すると中上級者向けのトレーニング方法ですが、 Goethe Institut など試験を運営している公式事務局が紹介・作成している動画を1つ選んで、10~15分くらいの試験シュミレーション動画を書き起こしていただいています。
ディクテーションをすることで学習の進捗度合いも確認できますし、実際の試験のシチュエーションに限りなく近い動画を視聴することで試験前のイメージトレーニングも可能です。
日常生活や仕事でドイツ語を使わなければならない人は、相手が話した文章の中身がわからない場合でも書き取ることができれば、そのあとご自身で内容を調べることも可能です。
様々な場面で必要になるのがディクテーションのもう一つの顔だと筆者は考えています。
様々な効果が期待できるディクテーションですが、骨の折れる勉強方法でもあるので諦める人が多いのも事実です。
いきなり日々の勉強に取り入れるのではなく( 特にA1~A2学習者だと辛すぎる )、試験勉強など明確な目標や目的のある勉強の中に少しずつに取り入れることをお勧めします。
語学の学習は効果が出るのに時間がかかりますが、折々にディクテーションを取り入れて、ご自身の勉強がきちんと進んでいるか確認できるといいですね!
